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2025/05/29

秘密

中学の頃の話。
精神年齢がだいぶ大人びた友達がいた。
単に私が低かっただけかも知れないけど。
その友達をAちゃんとしよう。
Aちゃんとは仲良くてよく一緒にいた。
ふざける時は全力でふざけるAちゃん、最高に好きだった。

ある日Aちゃんは私に大事な秘密をひとつ打ち明けてくれた。
私が「誰にも言わないって約束する!」と言うと、Aちゃんがこう言う。
「しおりが信頼してる人になら言っても大丈夫。」

14歳の私はびっくりした。
これまで自分が誰かに話した秘密について、秘密にしてもらえなかった時に怒ったりした自分が恥ずかしくなった。

そうか、秘密を守ることで成立する信頼関係じゃなくて、その話を大事に受け取ると信頼の元話してくれたのか、って自分の中に無かった思考を見せてもらった気がした。
あれからものすごく時間が経った今でも、その時のことをたまに思い返してはAちゃんは誰かに話した瞬間に秘密が秘密じゃなくなるって理解してたのかな…とか秘密を守らせ続けることも人に負担をかけるってもう知ってたのかな…とか脳内深堀りしてしまう。