価値

悔しい。
見返したい。

この類の感情は強さはあれど、私にとって進むための原動力にはならない。
誰かとの比較で生まれた価値には価値を感じないからです。

でも、ずっと忘れられない言葉があります。

会社勤めの頃、私が音楽活動していることを知ってる上の方が全社員が全国から集まる機会に私に演奏するのはどうかと提案してくれた人がいた。

それを聞いた同僚が、「しおりを知ってる人なら嬉しいと思うけど知らない人が殆どだから盛り上がらなくない?」と言った。

その同僚はとても優しい子だから意地悪したくて言ったのではない。

無名な人間が何を歌うよりも、期待され価値があるのは、有名な人間の存在そのものだと知った。

いや、知ってはいたけど。
「そうだね」て言うのが精一杯だった。

名前があれば、その人が届けたいものを届けられる範囲はとても大きい。
名前が売れるというのも、才能や努力の結果。
たくさんの人に求められるのは、ちゃんと求められる理由がある。

でもこんな無名な人間の歌に、足を止めて何かを想ったり考えたり、誰かの何かになることがあるのであれば、それが例え一人でも、一瞬だったとしてもそれは私にとってものすごく価値がある。

自分が誰であるかということはそんなに重要ではない。

何を選び、何を歌うかです。